DTM初心者による音楽理論,DTM備忘録まとめ

1 曲の作りはじめ方

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1.1ドラムなどのリズムトラックから作り始める

ドラムトラックを作り、コード進行、ベースの順で曲の骨組みを作ってから始めると楽曲の雰囲気やバッキング(伴奏)が作りやすい。

1.1.1もともとあるループ音源を使ってドラムリズムを作る

DAW名 ループ音源」などと検索すると出てくる。高品質なのが欲しい場合はドラム音源、ループ音源を買うと良い。

1.1.2好きな曲のリズムをそのまま真似をする。

ドラムはバスドラム(ドンドン)、スネアドラム(パンパン)、ハイハット(チッチッ)の3種類が主に使われる。この3種類に注目して真似すると良い。

1.2コード進行から作る

舞台設定、ストーリー設定を作ってから作り始めるようなもの。
コード進行は有名なモノががたくさんあるので、それを真似するだけでいい。弾き語り系のコード進行サイトを活用すると良い。
U-フレットというサイトで色んな曲のコード進行を調べることができる。

1.3音色からインスピレーションを得る

先に楽器のサウンドを聞いて、それに合う曲を考えていく方法。サウンドがかっこいい曲になる。

1.3.1音色の探し方

プリセット(サウンドの設定が保存されたデータ)を聞いて探すのが良い。その際MIDIキーボードがあると便利。
有名なソフトウェアのシンセサイザーは別売りのプリセットがある。

1.4言葉を並べてメロディーを作る

好きな言葉を並べ、そのリズムやイントネーションからメロディーを作っていく方法。
白鍵だけでイントネーションを作ると良い。

1.5聞いたことのない曲のイントロだけ聴く

イントロだけ聴いてその続きを想像して作る。
曲をたくさん聞いて良いイントロを見つけたらその続きを想像して作っていく。作った続きの部分のワンフ

 

2 DTM初心者が最初にすると良いこと

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2.1バンドスコアを見ながら曲を聞く

バンドメンバー分の譜面が縦一列に並んでいる譜面のこと。自分の好きな曲でOK。譜面を見ることでそれぞれのパートの役割やパートが視覚的にわかる。楽器の組み合わせによって雰囲気がわかる。
今まで歌だけ聴いていたのを、伴奏を知るためにバンドスコア見る。
特定の楽器だけ知りたいのならYouTubeなどで弾いてみたなどを見ると良い。

2.2既存の曲に音を重ねる

既存の曲、好きな曲になんの、どんな音を入れたら合うのかを試してみる。楽器編成を決めることはアレンジの半分を占めるくらい大切。
どんな音が合うのかをイメージしながらやると良い

2.3ループ素材を並べる

既に作られた各パートの素材を並べる。自分で聞いて好きな音を並べる。好きな音はインスピレーションが湧くので、仕上がりをイメージしていく

3 初心者が知らないメロディ作りのテクニック

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3.1メロディ頭のタイミング

サビ頭のタイミング印象が変わってくる。

3.1.1小節頭とメロディ頭を揃える
3.1.2メロディ頭を小節の前から初めて助走を付ける

シンコペーション(シンコペ)というものがある。小節・拍の頭からはみ出している。これをリズムを食うことをシンコペーションと言う。

3.1.3タイミングを遅らせてレイドバックさせる

メロディのタイミングを遅らせることでサビに入った瞬間に余裕ができる。落ち着いた印象を付けたいときに有効。

3.2三連符

3連符を1拍の中に入れる。 

3.3メロディ頭をテンションノートにする

コードの構成音以外から始める。最初のコードに対しての9thを考えてメロディを作り始める。

4 スケールとは

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スケール(音階)とは音の高さの順に並べられたオクターヴ以内の階段状の音列のこと。
ドからシまでの12音を1組(1オクターブ)として、12音の中からどの音を選んだかでスケールが決まる。
12音全て使うと協和音と不協和音が入り混じり聞き手にとって難解な曲になる。
曲の雰囲気によってスケールの選び方がある。

4.1メジャースケール(長調

メジャースケールは12音のうち7音を選ぶ。選ばれなかった5音は絶対に使ってはいけないというわけではなく、アクセントとして入れても良い。
Cメジャースケール(ハ長調)とはド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ(#の音を除いた音)の7音を使うこと。最初に選んだドをCというのでCメジャースケールと呼ぶ。
Cメジャースケールの選び方の法則は、ピアノ鍵盤の白色の部分と同じ。Cメジャースケール以外のメジャースケールでも音の間隔は同じ。カラオケなどでキー変更と言われるのはスケールを上げ下げすること。スケールをKeyと表示されることもある。Key C=Cメジャースケール。
メジャースケールはドレミファソラシド(CDEFGAB)は間が最初から2,2,1,2,2,2個空いている。

4.2マイナースケール(短調

Cマイナースケールはド・レ・レ#・ファ・ソ・ソ#・ラ#の音を選ぶ。
間がCDE♭FGA♭B♭で間が最初から2,1,2,2,1,2個空いている。
マイナースケールは悲しい雰囲気になる。

5 ディグリーネームとは

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ディグリーネームとはコード進行をより分かりやすく理解して捉えていくための「覚え方・捉え方」。
ディグリーネームではコードをアルファベットではなく数字で表す。
コード進行をディグリーネームで覚えておけば、どんなスケールでも当てはめられる。

5.1Cメジャースケールのディグリーネーム

CメジャースケールのC,Dm,Em,F,G,Am,Bm-5をディグリーネームでは1,2m,3m,4,5,6m,7m-5と表す。
1,4,5はメジャーコード、2m,3mはマイナーコード、7m-5はマイナーフラット5になる。
メジャースケールではどのスケールを選んでも1,2m,3m,4,5,6m,7m-5になる。

6 ドミナントモーションを覚えよう

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ドミナントモーションとは、スケール内で使われるうちの1,4,5番目のコードに特定の役割がある。「解決感」や「終始感」といった感覚的安定感を演出できる技法のこと。

Cメジャースケール(ハ長調)の構成音はC,D,E,F,G,A,B。
構成できるコードはダイアトニックコードC,Dm,Em,F,G,Am,Bm-5になる。
ディグリーネームでは1,2m,3m,4,5,6m,7m-5と表記される。
1はT(トニック)、4はSD(サブドミナント)、5はD(ドミナント)と呼ばれる。

6.1ドミナントモーションとは

「D(5)→T(1)」に遷移するときに感じる解決感や終始感のこと。
Dはの次にTが来ると安定感がある。その次に安定感があるのがSDの次にTが来る。
ドミナントモーションは人の感覚的に安定感のあるコードができるが、使いすぎると定番でベタな曲になる。しかし全く使わないとなると違和感が生まれる事もある。

 7 コード進行のつなげ方

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7.1コード進行を分類する

  • ディグリーネーム1始まり 明るい・楽しい
  • ディグリーネーム4始まり マジメ・シリアス
  • ディグリーネーム6始まり 悲しい攻撃的

頭のコードが全体の印象に大きく影響するため、頭のコードで分類する。
多くのヒット曲が1,4,6で始まる。

7.2繋げるときの注意点

  • なるべく同じ数字から始まるコードを並べない
  • 繋がらないときは最後が5のコード進行を選ぶ

最後が5のコード進行はドミナントモーションになるため繋がりやすい。

8 一曲完成させるための5つの作曲手順

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8.1 参考楽曲を見つける

リファレンス楽曲と呼ばれる。
人気の楽曲や好きな楽曲を真似をする。プロでもやっている。正しいミックスバランスを知るという目的でもある。
いきなりオリジナリティを出して失敗することがあるので、意識的には全パクリしてもいい。

8.2コード進行を調べる

U-FRETというサイトで有名な邦楽のコード進行がわかる。コード進行に著作権はないので丸パクリしても良い。「〇コード 音階」などと調べるとコードの構成音がわかる。

8.3メロディを作る

コードを流しながらコードの構成音に沿って作っていくと安定する。たまに構成音以外を挟んだりして展開していく。
コード内の音を内音、コード外を外音と言う。外音に出るとすぐに内音に戻ると良い。メロディの楽器はピアノかシンセサイザーが良い

8.4ベースを作る

コードの基盤、ルート音をコピペすると安定する。コードの下につけるイメージ。エレキベースシンセサイザーのベースをよく使う。

8.5リズムトラックの作成

初めは好きな楽曲を同じように打ち込んで良くと良い。主にキック・スネア・ハットの3点、タム・シンバル類で構成される。
キックとスネアが重要になる。
ループ音源を活用する方法もある。(LoopmastersやSpliceなど)

9 曲つくりで行き詰まったら

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 9.1途中で行き詰ってしまう原因

全体のイメージができていない。曲の展開などが曲を作りながら考えてしまっている。コード進行なども同様。
曲の一部だけから作り始めてしまうとチクリ進める中で様々な不都合が発生する事がある。
思いついたAメロ・Bメロに対して納得のいくサビを作れない。途中で発生した不都合を治すのは難しい。
1コーラスの長さだけでも先に構築しておくと作っていく途中の工程で展開や流れを失うことが少なくなる。
全体像をイメージしておけば途中で行き詰りにくい。

9.2具体的な対策法

オケ先の曲作りをする。オケ先とは楽器パートアレンジや曲の展開、コード進行などを先に作る手法。それに対してメロディを先に作ることをメロ先という。
オケ先の方が全体を先に決めているので行き詰りにくい。ただしその分メロディに制限を与えてしまうこともある。
メロ先は自由にメロディを作れるが、メロディと同時に曲の展開を決めなければならず、難易度は高い。
DTMは一人でやらなければいけないことが多いため、同時にやっていることに目を向けて、少しでも1つずつやるようにすると行き詰りにくくなる。

10 さまざまな音名と音程

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10.1音名とは

 音名は音の呼び方。よく聞くドレミファソラシドはイタリア式音名。
日本式ではハニホヘトイロ。英・米式ではCDEFGAB。

イタリア式 ファ
日本式
英・米式 C D E F G A B

 

 10.2音程とは

音程とは音と音の距離を表す言葉。2つの音の高さが同じなら1度、1つ距離が離れていたら2度・・・となる。度数は「離れている数+1度」で表す。
同じ2度の音程の中でも、ド・レのように間に鍵盤が1つあるのを全音、ミとファのように鍵盤が隣り合ってる音を半音と言う。

11 インターバルとスケール

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11.1インターバル

ド・レは全音、レ・ミは全音、ミ・ファは半音、ファ・ソ・は全音、ソ・ラは全音、ラ・シは全音、シ・ドは半音。
「全・全・半・全・全・全・半」となっている。これを「ドレミファソラシド」のインターバルと言う。

11.2スケール

ド以外の場所から「全・全・半・全・全・全・半」の並びを始めると黒鍵が入る事がある。
選んだスタート地点に応じて黒鍵の含まれ方が変わる。
「全・全・半・全・全・全・半」と同じインターバルを使えば高さが異なるが全て「ドレミファソラシド」に聞こえる。
「全・全・半・全・全・全・半」のようなインターバルを使用して見つかる音の組み合わせをスケールと言う。
「全・全・半・全・全・全・半」ので見つかるスケールをメジャースケールと言う。
C(ド)(ハ)から始まるメジャースケールをCメジャースケール(ハ長調)と言う。
メジャースケールは黒鍵を含めて12種類あるが、「全・全・半・全・全・全・半」というインターバルを覚えておけば、スケールを探しだすことができる。

12 さまざまなスケール

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12.1ナチュラルマイナースケール

メジャースケールに対して、ナチュラルマイナースケールがある。単にマイナースケールと言われる場合もある。
CメジャースケールとCナチュラスケールの違いは、Cメジャースケールの3・6・7番目の音が半音下がるとCナチュラルマイナースケールになる。
ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭になる。
インターバルは「全・半・全・全・半・全・全」となる。
メジャースケールは長調、マイナースケールは短調と言う。
短調化はメジャースケールの第3・6・7音を半音下げると短調になる。

12.2平行調同主調

ナチュラルマイナースケールのインターバルを第3音から始めるとメジャースケールと同じになる。
つまりメジャースケールの2つ音の前からスタートするとナチュラルマイナースケールになる。
AナチュラルマイナースケールとCメジャースケールのように元のメジャースケールと順番を変えてできるマイナースケールの関係を平行調という。
平行調は現代では同じスケールと見なされることが多い。
CメジャースケールとCナチュラルマイナースケールのような関係を同主調と言う。

13 3和音のダイアトニックコード

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13.1スケールから発生するコード

スケール各音に対して、3度ずつ2つの音を重ねる。ドに対して3度(スケール上で2つ離れた音)の音ミと、ミに対して3度の音ソ、ドミソができる。レに対してはレファラと続いて行き、シまで7種類のコードができる。
スケールの各音に対応する7つのコードをまとめてダイアトニックコードと言う。
Cメジャースケールのダイアトニックコードは、ドミソをC、レファラをDm、ミソシをEm、ファラドをF、ソシレをG、ラドミをAm、シレファをBm♭5と言う。
コードが生まれる元となった一番下の音をルートと言う。真ん中の音はルートに対して3度の位置にあるので3度の音と言う。一番高い音はルートに対して5度の位置にあるので5度の音と言う。

13.2メジャーとマイナーの違い

コードは大きく分けてメジャーコードとマイナーコードに分類される。
CメジャースケールのダイアトニックコードではC、F、Gがメジャーコード、Dm、Em、Am、Bm♭5がマイナーコードに分類される。
Cはルートから真ん中の音までの音程は3度、真ん中から上の音までも3度。しかし、半音単位で数えると下の3度は4半音、上の3度は3半音になる。
同じ3度でも4半音と3半音になるものがある。
Dmでは下の3度が3半音、上の3度が4半音になってる。
メジャーコードとマイナーコードでは上下の3半音と4半音が逆になっている。
ルートから5度まではどちらも7半音で変わりなく、ルートから3度までの音程を数えて4半音ならメジャーコード、3半音ならマイナーコードど確認できる。
メジャーコードの3度を半音下げるとマイナーコードにできる。
Bm♭5は特殊なコードでルートから3度、3度から5度までがどちらも3半音になっている。ルートから5度まで6半音になっていて、5度の位置が通常に比べて半音低いため♭5という記号が付く。

14 4和音のダイアトニックコード

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14.1 4和音のダイアトニックコード

スケール各音に対いて、3度ずつ3つの音を重ねる。
4和音のダイアトニックコードはドミソシC△7(Cメジャーセブンス)、レファラドDm7、ミソシレEm7、ファラドミF△7、ソシレファG7、ラシドミAm7、シレファラDm7♭5と言う。
4和音はルート、3度、5度、7度の4つの音が鳴る。

14.2 2種類の7度

C△7はルートから7度まで11半音である。Dm7は10半音である。△7と11半音、m7は10半音になる。メジャー・マイナーに関わらず、7度が10半音なら7、11半音なら△7が付く。

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3度と7度の組み合わせ

セブンスの素早い判別法として、ルートを1オクターブ上に上げ、7度の音と半音で隣り合っていたら11半音、全音になっている場合は10半音になる。

15 ダイアトニックコード進行

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15.1コード進行とは

コード進行は複数のコードを順番に並べたもの。並べる順番や組み合わせによって曲の展開の仕方を決めることが可能。コード進行を多く知っていることは様々な曲調を作れることになる。
特に最初のコードによってコード進行の印象が変わりやすい。
最初に来るコードは3分の1がC、三分の1がAm、三分の1がその他になる。ほとんどがCとAmから始まる。

15.2コード進行のバリエーション

初めのコードがCの進行は一般的に明る感じになる。Amは一般的に暗い感じになる。
よくある進行例。

  • C Am Dm G(イチロクニーゴー)
  • C F G Em
  • C Em F G
  • C G Am Em F C Dm G(カノン進行)
  • Am G F Em
  • Am F G C(小室進行)
  • Am F C G
  • Am C F G

その他のコード進行例。Em、G、Bm♭5から始まるコード進行はあまり数が多くない。

  • F G Em Am(J-POP王道進行)
  • F G Am Am
  • F C G Am
  • Dm Em F G
  • Dm G C Am

組み合わせは無限のため、すべて覚えようとせずよく使われるものから覚えていくと良い。コード進行はある程度自由があるものの、お約束のようなものがあるため、既存曲のコード進行を調べると良い。

15.3コードチェンジのバリエーション

同じコード進行でも、コードチェンジのタイミングによるバリエーションがある。
1小節チェンジや2拍チェンジ、途中でタイミングが変化するものなどがある。

16 転回形の基本

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16.1コード進行とボイシング

コードをそのまま使用すると音域が大きく移動する部分があり、ちぐはぐに聞こえることがある。またピアノだと手の動きが大きくなり弾きにくくなる。
そのために音の動きが小さくなるようにする。
前後のコードで同じ音は維持、または隣の音に移動するのようにするだけで音の動きを小さくできる。
このようにコードの重ね方をボイシングと言う。

16.2基本形と転回形

コードの重ねる順番を変える、下の音を上に持ってくることを転回と言う。
最低音がルートになる形を基本形、1回転回したものを第1転回形、2回転回したものを第2転回形と言う。
3和音は第2転回形、4和音は第3転回形まである。
ドミソのCに対して第1転回形はドが上に移動しミソドになりC/E(シーオンイー)、第2転回形はミも上に移動しソドミになりC/G(シーオンジー)と言う。
最低音がルート以外の場合はコードネームにスラッシュを付け、最低音を後に受ければいい。「構成されるコード名/最低音」という形で表記される。楽譜によったらConEという表記もある。

16.3転回形のルール

C Am F Gの転回形はC Am/C F/C G/Dになる。
しかし音の動きを小さくして転回形を使ってコードネームが変わるのを避けたい。
最低音がルートであれば右手が転回形であっても基本形とみなされる。
右手のボイシングに関係なく、最低音の位置で判断すればOK。
その他の楽器(主にベース)が最低音になる場合はその位置によって判断することもある。

17 転回形の利用

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17.1転回形を使った進行

C G Am Em F C Dm Gというカノン進行に対し、転回形で低音部を順に下がっていくようにするとC G/B Am Em/G F C/E Dm Gとなり、より切なさを感じさせることができる。
F G Em AmというJ-POP王道進行のGをG/Bと転回形にするとよりダイナミックにすることができる。
転回形を使い分けることで曲調を変えることができる。
転回形は基本形よりも響きの安定度は落ちるので聞きにくくなることがある。入れすぎには注意すること。

17.2 4和音の転回形

ルートの1つ下の音にするとセブンスコードになる。
Cの低音の度を1つ下に下げてシにするとC△7/Bとなる。分かりずらいので右手だけCを弾いて左手でBを弾くというC/Bという分かりやすく表記されることがある。
ただし構成音から低音が選ばれるのが原則である。
同じコードでも表し方が複数ある。

18 コードの機能とケーデンス

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18.1コードの機能

音楽には緊張と安定の関係がある。C G7 Cのように緊張から戻すような力がある。
安定したコードをトニック、緊張したコードをドミナントと言う。3和音・4和音も変わらない。
トニックとドミナントはコードの機能となる。

18.2ケーデンス

Fはサブドミナント、半安定・半緊張と言い、どちらでも使える。
サブドミナントからトニックに戻ることをアーメン終止と言う。
トニック(T)、ドミナント(D)、サブドミナント(SD)の関係は以下のようになる。

  1. T→D→T
  2. T→SD→T
  3. (T→)SD→D→T

このようなコード進行の最小単位をケーデンスと言う。ドイツ語ではカデンツ、日本語では終止形と言う。
(T→)D→SD→Tはクラシック理論では認められていないが、それ以外では見かけることがある。

19 代理コード

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19.1その他のコードの機能

Cはトニック、Fはサブドミナント、Gはドミナントとなる。この基本となる3つを主要3和音と言う。
コードの機能はT・D・SDの3つだけ。
AmとEmは構成音がCと似ているからTとする。同じようにはBm♭5はD、DmはSDとする。
主要3和音以外の4つを代理コードと言う。代理コードを使用することで雰囲気を変えることができる。
初めに主要3和音で作り、後からいくつかのコードを代理コードにすると良い。

19.2代理コードの問題点

Am、C、Emは同じトニックでも安定度が違う。EmはGとも構成音が2つ重なっているためドミナントっぽい要素も持つ。
同じ機能なのにうまく響かない、異なる機能なのにうまく響くこともある。

20 ドミナントモーション

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20.1強進行

ドミナントが緊張する理由は音楽の感覚的な部分と物理的な部分がある。
ベースラインが完全4度上、もしくは完全5度下に動くことを強進行と言う。強進行がトニックへの移動のしやすさの理由になる。
基準となる音を基音、別の音に聞こえる音を倍音と言う。
倍音が基音を想起させることにより強進行があるという説がある。

20.2トライトーン

CメジャースケールではCがもっとも安定している。つまりドミソが最も安定した3音となる。シとファは安定したドとミに半音で接しているため引き寄せられやすい。
シとファは6半音・減5度になる。鈍い響きになるこの音をトライトーンと言う。
ダイアトニックコードでシとファはが持つもの3和音はBm♭5、4和音ではG7とBm7♭5となる。
G7はベースがソなのでCのルートである度に向かって強進になり、トライトーンを持っているためCに戻る強さが一番強い。
G7のようなドミナントの部分にできるコードをドミナントセブンスと呼ぶ。
ドミナントセブンスが完全4度上(完全5度下)の和音に移動することをドミナントモーションと言う。日本語では解決と言う。

21 マイナースケールのドミナント

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21.1マイナースケールのコード機能

AナチュラルマイナースケールはAm Bm♭5 C Dm Em F Gとなる。Cメジャースケールと平行調となる。
AナチュラルマイナースケールではAmはT、EmはD、DmはSDが主要3和音となる。
CメジャースケールのGはシがドに誘われるが、この時のシが導音、ドが主音と言われる。
ナチュラルマイナースケールのEm7には主音に対する導音がない。また、トライトーンを持っていない。
そのためにEm7のソを半音上げてソ#にすることで主音と同音、トライトーンの問題を解決できる。これによりドミナントのEmはEに、Em7はE7となる。
ナチュラルマイナースケールの第7音を半音上げた物をハーモニックマイナースケールと言われる。日本語では和声的短音階と言う。
ファとソ#の間は3半音空いており、増音程という。
さらにハーモニックマイナースケールの第6音を半音上げたものをメロディックマイナースケールという。日本語では旋律的短音階と言う。これによりファ#とソ#の間が全音になる。
基本的にナチュラルマイナースケールを使い、ドミナントの部分のみハーモニックかメロディックを使うと良い。

22 セカンダリドミナント

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22.1セカンダリドミナントとは

ドミナントセブンスは〇7の形のコード。CメジャースケールでG7、AマイナースケールではE7。ドミナントセブンスは完全4度上または完全5度下に移動しやすいドミナントモーションという性質がある。
ドミナントセブンスの次のコードはメジャースケールではメジャーコード、マイナースケールではマイナーコードになる。
強制的にドミナンスセブンスを作ると特定のコードに移動しやすい形を作ることができる。無理やり作ったドミナントセカンダリドミナントと言う。

22.2セカンダリドミナントの紹介

ほとんどのダイアトニックコードはドミナントセブンスに変換できる。

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セカンダリドミナント

ダイアトニックコード上で、3つ右、または4つ左の位置に動きやすくなる。

23 ツーファイブワン

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23.1ディグリーネームとは

ダイアトニックコード表ではトニックのコードを一番左において、右に1つずつ上がっていくように書く。
この時左のコードから順にローマ数字で1番から7番までの番号付ける。
I、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(♭5)と書く。これをディグリーネームと言う。
初めの音が変わるとスケールが変わり、コードの機能も変わる。そのためコード名だけではコード進行や役割が分からないことがある。
そのためディグリーネームで表すとスケールの何番目かわかる。

23.2ツーファイブワンの基本

ツーファイブワンはスケールの2,5,1番目の進行。CメジャースケールではDm、G、Cとなる。Dm7、G7、Cの形で使用されることが多い。
Dm7、G7、CはSD、D、Tとなる。これはDm7からG7までが強進行、G7からCまでも強進行になってる。つまりツーファイブワンは2連続強進行でトニックに戻る。とても終止感の強い動きとなる。
セカンダリドミナントがツーファイブワンのⅤと同じ位置になってる。セカンダリドミナントをスケール5番目のコードと仮定すると、解決先のコードはスケール1番目のトニックになる。
つまり一時的に別のスケールのコードとして扱える。セカンダリドミナントはこの性質を利用している。
セカンダリドミナントの形は全てⅤ→Ⅰという形になる。
その前にⅡを付けることでツーファイブワンになる。このようにセカンダリドミナント(Ⅴ7)の前にⅡm7にあたる部分を付けることをリレイテッドⅡm7と言う。

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リレイテッドⅡm7

23.3ツーファイブワンの応用

ツーファイブワンにはメジャースケールとマイナースケールの2種類ある。
CメジャースケールのツーファイブワンはDm7 G7 C、CマイナースケールのツーファイブワンはDm7♭5 G7 Cmとなる。
ドミナントセブンスはⅤの部分ではメジャースケールでもマイナースケールでも同じ形を使うので一時的に曖昧な状態になる。
つまりⅡの部分はm7♭5に変更しても良い。

24 パッシングディミニッシュ

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24.1ディミニッシュの構成音

ディミニッシュという和音は下から3半音、3半音という音のこと。Cdimの場合はド・ミ♭・ソ♭となる。m♭5と同じ音。
dim表記はパッシングディミニッシュであると強調するときに使われる。m♭5表記はマイナーからの派生和音と強調できるときに使う。
ルートから数えて3半音の音を短3度と言う。短3度を含んでいるものはマイナーコードになる。
ルートから数えて4半音(長3度)を含んでいるものはメジャーコードになる。
ディミニッシュセブンスは3半音ずつ4つの音を鳴らす。Cdim7はド・ミ♭・ソ♭・シ♭♭(ダブルフラット)になる。シ♭♭はラと同じ。楽譜上見やすくするためにシ♭♭と書く。
m7(♭5)はハーフディミニッシュともいわれる。一番上の音が下がりきっていないのでハーフと言われる。

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ディミニッシュの区別表

24.2パッシングディミニッシュ

パッシングは経過するという意味。コードとコードの間に入るディミニッシュのことをパッシングディミニッシュと言う。
パッシングディミニッシュはルートが全音で動いいるものだけ使える。隣のコードに移動するコードを順次進行と言う。F→G、G→Am、C→Dm、Dm→Emなどルートが全音で順次進行しているときのみ使える。
パッシングディミニッシュは元々全音で動いていたルートを半音単位で滑らかに動かす手法。
コードの間に最初のコードの半音上がルートのdimを入れる。
dimにトライトーンが入っていることからドミナントセブンスを省略した形になる。
構成音が似ている和音は性質も似てくる。

24.3ディミニッシュセブンスとハーフディミニッシュ

ディミニッシュセブンスの方がより強く次のコードに繋がる形になるが響きが複雑になる。
メジャーセブンスコードから上がってくるパッシングディミニッシュはハーフディミニッシュを使った方が共通音が多くなるため自然な響きになることがある。
迷ったときは3和音のdimを使えば良い。

25 五度圏

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25.1五度圏とは

 下記の図のこと。

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五度圏

Cから時計回りに1つ進むと完全5度(7半音上)になる。
使い方は、調合の仕方を調べるときに使う。
Dメジャースケールの調合を調べる場合は、まずDの位置を調べる。
CからDには時計回りに2つ進んだ位置にあるDメジャースケールの調合は♯2個。
E♭メジャースケールはCから半時計回りに3つ移動するため♭3個になる。
調合の増え方の順番は決まっている。
シャープの付いていく順番は、五度圏のFから時計回りに動いたときの順番と一致する。
フラットはBから反時計回りに動いた時の順番と一致する。
A♭メジャースケールの調合の数と付き方を調べる場合、A♭はCの位置から反時計回りに4つ分なので調合は♭4つになる。調合はBから半時計回りに4つのため、B、E、A、Dになる。

25.2五度圏でコード進行を調べる

ドミナントセブンスの移動先を調べることができる。G7の移動先はCになる。反時計回りに進むと完全5度下に進む、完全4度上に進むのと同じ。強進行の移動先になる。
Cメジャースケール上では、D7はG7に強進行になる。
ツーファイブワンもDm7→G7→Cと見つけることもできる。
ディミニッシュセブンスの構成も90度ずつ並ぶという性質がある。
コードの構成音がわからなくても、図形の形が分かっていると使える。

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コード構成音の図形

五度圏以外に四度圏もある。